もらい事故で加害者側が無保険だった場合の対処法

もらい事故とは、被害者側の過失が0の交通事故のことで、信号待ち中に後ろから追突された、駐車場に停車中の車にぶつけられたなどの、事故の原因が加害者にのみ問われる状況の事を指します。
では、もらい事故に遭ってしまった場合、どのように行動するべきなのでしょうか?

もらい事故に遭ったときにすること


もらい事故に遭ってしまった場合、まずは警察に電話をします。怪我人がいる場合は病院への電話を優先します。

次に加害者側の身元確認をします。名前や連絡先を聞いておきましょう
事故現場の写真などを撮り証拠をのこしておきましょう。目撃者がいた場合は警察が来るまで残ってもらえるようにすると良いです。
そして保険会社に連絡をし、病院で診察を受けます。この時、目に見えない怪我をしている場合もありますので必ず病院で診察を受けましょう。
その後に物損事故と人身事故どちらで届け出るかで警察の捜査が入るかや請求できる損害賠償が変わります。

物損事故と人身事故

車や建物、ガードレールなどの物に損害を与えた事故を物損事故といいます。
人間の身体・生命に損害が発生した事故を人身事故といいます。

人身事故の場合は、加害者は刑事処罰を受けることになります。警察が現場検証をして、実況見分調書を作成します。
物損事故の場合は警察の調査が入らない為、事故の発生原因を特定する材料がなく、過失割合について交渉が難航してしまうことがあります。

もらい事故に遭った際に、少しでも怪我をしていた場合は人身事故扱いにする方がその後の慰謝料や損害賠償請求の示談交渉がスムーズになります。
また、怪我がその場では確認できなくても後から体の痛みが出ることがあるため、必ず病院で診察を受けてから物損事故か人身事故か決めましょう。
物損事故を人身事故に事故後1週間以内だったら切り替えることも可能です。

物損事故で請求できる損害賠償


もらい事故で車が壊れてしまった時は、事故前の状態に戻すための修理費用を請求できます
修理代が車の時価額を超えてしまう経済的全損の場合には、時価額の範囲で請求が可能です。
物損事故の場合は慰謝料の請求はできません

人身事故で請求できる損害賠償

人身事故の場合、被害者の事故が原因の怪我などで精神的苦痛による慰謝料請求が可能となります。
被害者が受け取れる慰謝料は、入通院慰謝料後遺障害慰謝料死亡慰謝料の3種類です。

もらい事故では被害者が自ら示談交渉をすることになる

事故の原因が加害者と被害者の双方にあった場合は、それぞれの保険会社に示談交渉を任せられます。しかし、被害者側に過失がない場合は保険会社に示談交渉を任せられません。そのため、示談交渉を被害者が自ら行う必要があります。
賠償金を少しでも多くしたい場合は、弁護士に依頼することをお勧めします。

加害者が無保険だった場合


交通事故にあって怪我をした場合、通常は示談交渉をし、自賠責保険の保険金も含めて、加害者が加入する任意保険から支払われることになります。
しかし、加害者が任意保険に加入していない無保険車だった場合保険金の支払いを受けられません。加害者自身で賠償金の請求をする必要があります。

しかし、自動車保険に加入していない人は支払い能力が無いケースが多く、示談を成立させる事や賠償金の請求ができないということがほとんどです。

無保険者の加害者から賠償金を受け取るには?

示談が成立しないと慰謝料を受け取ることもできない上に、治療費などを自費で支払うことになります。
ですが、無保険車との交通事故に遭った被害者への救済措置があるので安心して下さい。

救済措置とは、人身傷害保険と、無保険車傷害保険という被害者側が加入している保険を活用します。

人身傷害保険

人身傷害保険とは任意保険の一種で、相手方の有無や過失割合に関係なく、保険会社から実損を補填する形で保険金の支払いを受けられる保険です。
被害者自身が加入している任意保険に、人身傷害保険が付いていれば治療費や後遺障害に関する補償などを、加害者が被保険者でも受け取れます

無保険車傷害保険

無保険車傷害保険とは、交通事故で被保険者が死亡、または後遺障害を負ったなどの重大な事故が発生したが、相手が任意保険未加入加害者が賠償金を支払えない場合に、その不足分を保険会社が支払うという保険です。

後遺障害又は重大な事故のみに限定されているため、被害者の怪我に後遺障害が認定されなかったような場合には使用できないため、注意が必要です。

政府保障事業を利用する

政府保障事業とは、交通事故の加害者が自賠責保険に加入していない場合や、ひき逃げなどの加害者の自賠責保険から支払いを受けられない場合において、被害者が政府から補償を受けられる制度です。
被害者には自賠責基準による賠償金が支払われます。後遺障害が残った場合にも、後遺障害の程度に応じた補償を受け取ることができます。

政府保障事業を利用するには、損害保険会社の窓口に行き、申請用の書類をもらい記入して提出します。損害保険料率算定機構がその事故について調査を行い、損害額が認定されると被害者の口座に振り込まれます。

弁護士に依頼する


交通事故当初から弁護士に相談しておくと、弁護士に被害者の代理人として加害者への請求手続きを任せることができ、正確に賠償金額を計算して、確実に慰謝料を獲得してくれます

また、任意保険に弁護士特約が付いていた場合、弁護士特約を利用することで弁護士費用を最大300万円まで保険会社が保証してくれるため、費用をかけずに依頼できます

まとめ

もらい事故で加害者が無保険だった場合は、名前や連絡を聞いてください。

支払い能力のない加害者の場合は、治療費など自費になるので人身障害無保険車傷害保険に加入の有無や、政府保険事業を利用できるのか確認しましょう。

賠償金については加害者と示談交渉を行ってください。

もし揉めるようであれば、弁護士に依頼するのが得策です。

ちなみに弁護士特約に加入しているなら、無料で弁護士に相談や依頼ができます

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